六義園の紅葉情報2016|見ごろの時期とライトアップ期間は?

2016年09月09日

四季を通して魅力が満載の六義園(りくぎえん)。なかでも秋の紅葉は格別です。今回は、おすすめ観賞スポットやライトアップイベントの楽しみ方など、六義園の2016年紅葉情報をまとめました。紅葉を見に行く場所を迷っているなら、ぜひ六義園へ!

東京を代表する紅葉スポット「六義園」とは?

六義園とは?
六義園は江戸時代に7年もの歳月をかけて造られた優美な日本庭園です。毎年春は桜、秋は紅葉を見に訪れる多くの人でにぎわいます。

●日本を代表する庭園のひとつ
六義園は、小石川後楽園と並んで江戸の2大庭園として古くから親しまれている、自然豊かな癒しのスポットです。たくさんの樹木がまるで森のように生い茂る小石川後楽園に比べ、六義園は計算された配置によって明るく開放感のある庭園になっています。1年を通して草花が多様な表情を見せてくれるため、季節ごとに訪れる熱心なファンも少なくありません。特に桜と紅葉のシーズンは人気が高く、ライトアップイベント期間中の週末などは大勢の人が訪れます。六義園の園内は東京ドームの約2倍の広さがあり、ゆっくり見ていると1時間をゆうに超えてしまいますので、時間に余裕を持って入園しましょう。

●柳沢吉保が引退後に設計
六義園は、徳川綱吉の側用人・柳沢吉保が晩年に造り上げた庭園です。柳沢吉保は小姓時代からその才覚が認められ、難しい性格だった将軍・徳川綱吉を支える側近として活躍しました。綱吉の亡き後「見事な引き際」と評されるほどあっさりと次世代の人々に地位を譲り、引退後に駒込の別邸で7年の歳月をかけて六義園をじっくりと造り上げました。

●和歌の世界を見事に再現
変わっていたと言われることの多い徳川綱吉ですが、学問の推進には積極的な政策を行っていました。その側近として文学の道を深めていった柳沢吉保は、引退後に六義園を設計する際、テーマを「和歌」としました。庭園内の八十八境は『万葉集』や『古今和歌集』に収録された和歌の中で登場した景勝地などを再現しています。

六義園の紅葉の見ごろ・ライトアップ情報

見ごろ・ライトアップ情報
紅葉の見ごろは例年11月中旬~12月上旬です。ライトアップ期間中は闇夜の中で光に照らし出された幻想的な紅葉風景を楽しむことができます。

●紅葉の見ごろ
園内ではモミジやハゼなどの樹木が紅葉します。例年11月中旬に色づき始め、12月上旬には落ち葉でいっぱいになります。2016年の夜間ライトアップは11月19日(土)~12月7日(水)で開催され、その間は開園時間が21:00まで延長されます。天候が穏やかな日は水面に紅葉が映し出され、思わずため息の漏れるような美しい風景が訪れた人を迎えてくれます。

その年の気象条件によって紅葉の見ごろは変わります。ライトアップ期間中を狙っても、時期が早すぎるとまだ色づきが足らず秋らしさは半減します。遅すぎると、せっかくの紅葉が地面に落ちてしまいます。紅葉を見に行かれる方は、事前に電話やWebなどで現在の様子を確認すると良いでしょう。

●ライトアップ観賞の裏技
ライトアップイベントはたいへん人気のため、チケットを買い求める長蛇の列が見られることもしばしばあります。これを上手に避けるには、平日を狙ったり、一番混む時間帯18:00~19:00ごろを避けるといった正攻法のほか、いくつか裏技があります。

・正門まで歩く
ライトアップ期間中は駅に近い「染井門」が開放されるため、多くの人はそこから入ろうとします。一方、駅から遠い正門は比較的空いているので、数分歩いて正門から入るとそれほど並ばずに済みます。

・前売り券を購入しておく
チケット購入に一番時間がかかるため、事前に前売り券を購入しておけば入園がスムーズです。しかし前売り券は六義園のみで販売されているため、昼間に一度六義園を訪れて購入する必要があります。

・天気が悪い雨の日を狙う
雨の日は足元が気になるために敬遠されがちですが、実は紅葉のライトアップ観賞におすすめです。大雨の日は避けたほうが良いですが、小雨や霧雨のような日は濡れた葉が艶を出し、ライトアップの光によく映えます。訪れる人が減るため、あまり待たずに入園できるのも雨の日ならではのメリットです。

・六義園&旧古河庭園共通入園引換券
同じ駒込駅からアクセスできる「旧古河庭園」に先に寄った方はこちらの共通入園引換券を購入しておくと六義園にスムーズに入場できます。旧古河庭園はモダンな洋館と庭園が同時に楽しめる観光スポットで、六義園とはまた違った趣があり、和と洋が見事に融合したロマンチックな風景が楽しめます。

●ライトアップ観賞の注意点
園内には舗装されていない道もあるため、ヒールの高い靴は土に沈みやすく避けたほうが無難です。一周すると歩き疲れることが予想されるため、履きなれた歩きやすい靴を履くようにしましょう。周辺の駐車場は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用がおすすめです。

紅葉の観賞におすすめのスポット

おすすめ紅葉観賞スポット
押さえておきたいおすすめの観賞スポットを3箇所紹介します。その場所にまつわる小話を思い出しながら観賞すれば、感動もまたひとしおです。

●藤代峠
染井門から入ると池の中に造られた大きな島があり、その小高い丘になっている部分が園内で一番高い場所にあたる「藤代峠」です。標高は35メートルほどで、六義園全体を一望することができます。
藤代峠は、「続後撰和歌集(しょくごせんわかしゅう)」で紹介された僧正行意という人物の、

「藤しろの 御坂(みさか)を越えて 見渡せば かすみもやらぬ 吹上の浜」

という和歌からインスピレーションを得ています。和歌山県の熊野古道には「藤白峠」という場所があり、和歌はこの藤白峠を題材にしています。
この藤代峠に行くには細い橋を渡らねばならず、ライトアップイベントの開催期間中は日が落ちる頃に立ち入り禁止になってしまいます。早めに入園して観賞を終えるようにしましょう。

●中の島
正門から園内に入るとすぐに見えてくる小さな島で、妹山と背山と名付けられた2つの築山(つきやま)があります。古語の世界では「妹」は女性、「背」は男性のことを指します。万葉集の中でいくつかの歌が妹山や背山を題材にしており、のちに歌舞伎の世界でも使われるようになりました。妹山と背山の間には大きな「玉笹石」(せきれいいし)と呼ばれる石が配置されており、子宝を表しています。中の島はライトアップイベントの有無にかかわらず通常は入ることはできませんが、池の向かい側から中の島の紅葉を観賞することができます。特に夜間は島全体がライトアップによって浮かび上がり、神秘的な表情を見せてくれます。

●水香江
水香江
「水香江」は庭園が造られた当初に存在していた場所で、かつては水が流れ蓮の花が咲いていたという記録が残っています。中国の詩人・李白や杜甫が「蓮の花で水が香る」と詠んだことにちなんで、柳沢吉保の指示のもとにその情景を表す造園が行われました。現在はわずかな跡が残るだけで、当時の面影を感じることはできません。ところがライトアップ期間中のみ、青い光とミストで再現された水香江を見ることができます。

「茶屋」でお菓子とお茶を楽しみながら紅葉観賞

茶屋で紅葉観賞
広い園内を歩き疲れたら「茶屋」でひとときの休憩をしましょう。体力が回復し、また新しい景色を探したくなるはずです。

●もみじ茶屋
もみじを愛でるために設置された臨時の茶屋で、年に1回のライトアップイベント期間中にだけ営業しています。営業時間は10:00~20:00までで、天候によっては中止される場合もあります。こちらでは「三福だんご」や「豚汁」などの軽飲食が販売されます。池に浮かぶ艶やかな紅葉を見ながら美味しいものをいただく、至福の時間を提供してくれます。

●吹上茶屋
広い池のほとりに佇む小さな茶屋「吹上茶屋」は、紅葉と池の美しいコントラストが楽しめる人気の甘味処です。ライトアップ期間中の営業時間は9:00~20:30(ラストオーダー20:00)で、抹茶や季節の和菓子を楽しんだり、六義園のお土産を買うことができます。

●心泉亭
平屋建ての日本情緒あふれる「心泉亭」は、有料予約制の貸切茶室として使われています。一般の人はイベント中にしか入れないため、時間があればぜひとも寄ってみましょう。ライトアップ期間中の営業時間は、平日12:00~20:00、土日祝日10:30~20:00(ラストオーダー19:30)。抹茶や季節の和菓子、六義園のお土産を買うことができます。

●つつじ茶屋
柳沢吉保の死後、一時荒れていた時代もあった六義園ですが、明治時代に入ると三菱財閥の創業者・岩崎弥太郎の手に渡り、再びしっかりと整備されるようになりました。その岩崎家によって加えられた代表的なものの一つが、「つつじ茶屋」です。
つつじ茶屋は、柱や梁などにツツジの木を使用しためずらしい四阿(あずまや)です。戦時中の空襲によって園内の建造物の多くが破壊されましたが、幸運にもこの茶屋は戦火を免れて現在も人々の憩いの場所として活躍しています。なお、こちらの茶屋での抹茶やお菓子の提供はありませんが、周辺には紅葉樹木が集まっており、一息つきながら紅葉を観賞できる絶好のスポットとなっています。

●滝見茶屋
近くには小川があり、岩を組んだ所が小さな滝のようになっています。耳をすませば水音が聞こえ、ゆったりとした時間が流れていきます。滝見茶屋は岩崎家所有の時代に建てられましたが、戦争で消失してしまったため、現在の建物は戦後に再建されたものです。茶屋という名前が付いているものの、飲食物の提供はなく休憩所となっています。

六義園の紅葉を見に行かれる方へ

今年の紅葉を六義園で楽しみたいという方は、以下の情報をご参考に!

●開園・閉園時間
・通常時
9:00~17:00(最終入園16:30)
・ライトアップ期間
9:00~21:00(最終入園20:30)

●ライトアップイベント
実施期間:2016 11月19日(土)~12月7日(水)
点灯時間:日没~21:00

●休園日
年末・年始
(12月29日~翌年1月1日)

●入園料 
一般300円 65歳以上150円(小学生以下および都内在住・在学の中学生は無料)

●割引
20名以上の団体 一般240円 65歳以上120円
(身体障害者手帳、愛の手帳、精神障害者保健福祉手帳または療育手帳持参の方と付き添いの方は無料)

●住所 
東京都文京区本駒込6

●アクセス 
JR山手線・東京メトロ南北線「駒込駅」から徒歩約7分
(ライトアップ期間中は駒込駅から徒歩約2分の染井門を開門)
都営地下鉄三田線「千石駅」から徒歩約10分

●東京都公園協会公式サイト:http://teien.tokyo-park.or.jp/contents/index031.html

歴史を感じながら自然美を堪能

随所に日本らしさと歴史を感じられる六義園で紅葉を観賞するのは、秋ならではの贅沢なレジャーです。秋の夜長は少しだけ江戸の歴史と文化に思いを馳せ、自然が生んだロマンチックな景色とともに、のんびりとした時間をお過ごし下さい。