迎賓館赤坂離宮本館、旧吉田茂邸、鳩山会館見学バスツアー

2017年08月24日

「迎賓館赤坂離宮本館見学&平成29年4月に再建!旧吉田茂邸見学と鳩山会館見学バスツアー ~嬉しい9マス弁当&お茶付~」をご紹介致します。

出発


集合場所の「東京駅 丸の内口 丸の内ビル前」は、JR・東京メトロ各線「東京駅」丸の内中央口より徒歩5分程のところにあり、丸の内ビル前からは東京駅を一望することができます。ポケカルの赤い旗を目印に受付をすませ、バスに乗り込んだらツアー出発です。

迎賓館赤坂離宮へ

迎賓館赤坂離宮は、明治維新以降の建造物としては初めて国宝に指定された貴重な建物で、日本で唯一のネオバロック様式の西洋風宮殿建築です。
かつて紀州徳川家の江戸中屋敷があった場所に洋風の東宮御所を建設しようと、明治32年(1899年)に着工し、10年をかけて完成しました。昭和天皇や今上天皇が一時期お住まいになりましたが、東宮御所としてはあまり使用されることはなく、改修工事を経て昭和49年(1974年)に迎賓館赤坂離宮となりました。
現在では世界各国の国王、大統領、首相などの国賓、公賓が宿泊し、首脳会談や晩餐会が開かれるなど外交の場となっています。

バスを降りると、壮麗な白亜の正門に圧倒されました。この正門も国宝に指定されています。
入口となる西門までは歩いて移動します。混んでいると並んでしばらくお待ちいただく場合もありますが、この日はすんなりと進むことができました。

入口では警備上の理由により、金属探知機による検査と手荷物検査をお受けいただきます。本館では飴やガムを含む飲食、携帯電話やスマートフォンなどの操作、写真撮影、日傘を露出させての携行は禁止されていますので、あらかじめ荷物の中にしまっておくとスムーズです。飲み物をお持ちの方は警備員の前で一口飲んでいただく必要があります。また業務用大型カメラ及び三脚・脚立・自撮棒等撮影補助機材の持ち込みはできません。

迎賓館赤坂離宮 本館内部見学

検査が済んだらいよいよご見学です。ここからは自由行動となりますので、思い思いのペースでお楽しみいただけます。本館では、有料の音声ガイドを利用したり、ボランティア説明員の解説をお聞きいただくこともできます。

残念ながら本館内部は写真撮影禁止のため写真はありませんが、「彩鸞(さいらん)の間」、「花鳥の間」、「羽衣の間」と「朝日の間」があり、「彩鸞の間」は軍隊調、「花鳥の間」は花や鳥、「羽衣の間」は謡曲の「羽衣」と、それぞれ異なったモチーフ・様式の装飾で飾られています。
室内の絵や装飾、大きなシャンデリアはもちろん、それぞれ模様の違うお皿やカーテンの束ね方、ドアノブの装飾まで、ため息の出るような美しさです。

本館の裏に設けられた主庭には、国宝に指定されている大きな噴水があります。本館と噴水をバックに写真撮影もできますので、カメラをお持ちの方にはおすすめのスポットです。

ベルサイユ宮殿の前庭にならいピンコロ石が敷き詰められた前庭では、本館正面の姿を鑑賞したり、写真撮影をお楽しみいただけます。ベンチやカフェもありますので、少し休憩して行くのもよさそうです。

鳩山会館

次に向かうのは鳩山会館。
関東大震災の翌年大正13年(1924年)に、元内閣総理大臣・鳩山一郎が建てた鳩山家の私邸で、設計者は大正・昭和初期の建築家でとして活躍し、明治生命館やかつての歌舞伎座なども手がけた岡田信一郎です。修復を経て1996年から一般公開されています。

ハトをモチーフとした飾りの付いた正門でバスを降りたら、坂を上って入口へ。

玄関を入ると、左手には事務室や階段、右手には2つの応接室と食堂、英国風サンルーム、特別展示室が続いています。アダムスタイルの応接間には、工芸家・小川三知の手によるステンドグラスが飾られており、ひとつひとつ模様が違う様は見ていて飽きません。
かつてはこの応接室を多くの政治家が訪れ会談を行うなど、戦後政治の舞台として使用されました。
館内案内のビデオで鳩山会館の歴史を学んだり、椅子に腰掛けてゆっくりと部屋の装飾品を眺めることもできます。

2階へと続く階段にも、小川三知が制作したステンドグラスが飾られています。寺の塔の上をハトが舞っているデザインで、館内で最も大きなステンドグラスです。

2階では大広間と、鳩山一郎、一郎の妻・薫、長男で元外務大臣の威一郎それぞれの記念室をご見学いただけます。記念室の中には勲章やモーニング、記念品などの他、子どもの頃の通知表やラブレターも展示されるなど、興味深い展示になっていました。

バラの植えられた庭からは、イギリス風の外観をした建物全体を眺めることができます。東京のビル群に囲まれているとは思えないような、ゆったりとした空気に包まれます。

庭の一角には朝倉文夫作の鳩山和夫、春子夫妻像や、「日ソ共同宣言・日ロ国交回復50周年」を記念して建立された鳩山一郎の像が建立されています。

見学を終えたらバスに戻り、次の目的地へと出発です。

お昼は9マス弁当


大磯へと向かう車中でお昼のお弁当タイムです。
蓋を開けると、9マスに仕切られた容器の中に、ご飯やハンバーグ、エビフライなどが彩りよく並べられていました。紙パックのお茶がついているのも嬉しいポイントです。

吉田邸

いよいよ最後の目的地、旧吉田茂邸に到着です。
旧吉田茂邸は、明治17年(1884年)に吉田茂の養父・健三が別荘として建てた邸宅で、昭和20年(1945年)からは吉田茂が本邸として暮らした場所です。
2009年3月に火災により焼失してしまいましたが、8年ぶりに再建され、2017年4月より一般公開されています。

趣きのある門をくぐり中へ。
門の近くには小さなバラ園や休憩所も設けられています。

数奇屋檜造りの本邸は建築家・吉田五十八が設計し、京都の宮大工により建築されました。
「吉田御殿」とも呼ばれ、吉田茂の政界引退後も多くの政治家が「大磯詣」を行うなど、政治の舞台となりました。

玄関では靴を脱ぎ中へと進みます。
応接間棟は昭和22年(1947年)頃、執務室として建てた棟で、1階の部屋は楓の間と呼ばれ、応接間として使われていました。

2階は吉田茂の私的な書斎で、畳敷きの部屋の一角には堀り炬燵が設けられています。ガラス棚の地袋には、吉田邸と首相官邸とを繋ぐダイヤルのない直通黒電話が置かれていました。部屋の北側には舟形の風呂もあります。

廊下には、吉田茂の「バカヤロー解散」にちなんだ言葉のオブジェや、葉巻型ベンチ、吉田茂の白足袋のオブジェが飾られています。当時を思い出される方も多いのではないでしょうか。

続く新館は昭和30年代に海外からの賓客を迎えるため、増築されました。吉田五十八の設計によるもので、和と洋が絶妙に融合されたつくりになっています。

新館1階の食堂はローズルームとも呼ばれ、アール・デコ調の柔らかな雰囲気が漂います。

窓の外に視線を移すと、サンルーム(温室)の様子もご覧いただけます。2009年に吉田茂邸が焼失した際、唯一焼け残った建物です。

2階には居間(金の間)と寝室(銀の間)があります。金の間は箱根や相模湾が一望できる他、お天気がよければ富士山もご覧いただける見晴らしのいい部屋です。銀の間は吉田茂が最期を迎えた寝室で、当時のベッドが再現されています。

邸宅内を見学した後は、緑いっぱいの庭園散策へ。

石積みの階段を上って行くと、七賢堂と書かれた小ぶりの建物が姿を現しました。
岩倉具視、大久保利通、三条実美、木戸孝允、伊藤博文、西園寺公望、吉田茂の7人が祀られた建物で、「七賢堂」の文字は佐藤栄作が揮毫したそうです。

道沿いに進んで行くと、海のそばに吉田茂の銅像が建てられていました。昭和58年に建立されたこの銅像の顔は、講和条約締結の地であるサンフランシスコを向いているのだそうです。

歴史の風に触れられる旅

明治から戦後まで、近代政治の歴史の流れを身近に感じられる今回のツアー。
著名な建築家による華麗な建物をお楽しみいただけるのはもちろん、偉人たちの素顔が垣間見える瞬間もあり、1度で2度美味しいツアーです。
「迎賓館赤坂離宮本館見学&平成29年4月に再建!旧吉田茂邸見学と鳩山会館見学バスツアー ~嬉しい9マス弁当&お茶付~」を皆様もぜひお試しください!