2016年の夏は猿島へ!ラピュタのような無人島で海水浴やBBQを楽しもう!

2016年07月14日

猿島は、東京湾に浮かぶ唯一の自然の無人島です。映画『天空の城ラピュタ』を想像させる要塞の跡は、まるでファンタジーの世界に足を踏み入れたかのような魅力があります。身近にある不思議な島・猿島へ行ってみましょう!

東京湾唯一の無人島!猿島ってどんな島?

●猿島とは
京急線「横須賀中央駅」から、徒歩とフェリーで約30 分の距離にあるのが「猿島」です。乗船時間はわずか10分。海軍の施設があったため、一般の立ち入りが終戦まで禁止されていたこともあり、自然豊かな島には独特の雰囲気が漂っています。「秘境」という言葉がぴったりの、日帰り観光地です。

●住所・アクセス・料金
・住所:神奈川県横須賀市猿島1

・アクセス:
<電車>
京浜急行線「横須賀中央駅」から「三笠桟橋」まで徒歩約15分
<車>
横浜横須賀道路「横須賀インターチェンジ」から本町山中道路経由で「三笠桟橋」まで約10分
<フェリー>
「三笠桟橋」から乗船時間約10分(1日9往復)
午後5時の猿島発が最終便(夏季スケジュール)

・猿島入園料:15歳以上(中学生は除く)200円、小・中学生100円
・往復乗船料:
<一般>
大人1300円、小学生650円
<団体(15人以上)>
大人1170円、小学生580円

※猿島に宿泊することはできません。

東京湾を護ってきた、猿島の歴史

猿島
猿島は第二次世界大戦中、旧日本海軍が国土を守るための要塞をつくっていた島です。今でも島のいたるところに当時の面影と歴史が残っています。そんな猿島の歴史を見ていきましょう。

●島の歴史
猿島は1881年(明治14年)から1945年(昭和20年)まで、国を護るための要塞として使用され、64年もの間、民間人の立ち入りが許されませんでした。戦争を後世に伝えるための貴重なスポットとして、島の中にある「猿島砲台」は、2015年(平成27年)には、国が指定する文化財の一種である「国史跡」に指定されました。その他にも弥生時代や縄文時代の貝塚をはじめ、要塞として使われてきた第二次世界大戦までの遺跡が多く残っています。
また、黒船来航で知られるペリーが日本へ開国の交渉に来た際、美しい猿島を見つけ、「Pelly.ID」と自分の名前を付けるほど気にいったという話も残っています。

●島の伝説
・名前の由来
猿が住んでいるわけでもないのに、どうして猿島と呼ばれるのでしょうか。
島の名前の由来は、日蓮上人(1222年~1282年)の伝説から来ていると言われています。
鎌倉へ布教に行く途中、嵐に遭って遭難しかけた日蓮上人は、お題目を唱えました。すると突然白い猿が現れて無人島へ案内し、無事助かることができました。そのときたどり着いた島が猿島だということです。このストーリーが猿島という名前の由来だと伝えられています。

・サザエ伝説
日蓮上人にまつわる逸話に「サザエ伝説」があります。日蓮上人が現在の「米が浜」に上陸する際、背負って上陸した男がサザエで足を切ってしまったため、日蓮上人はお題目を唱えて辺りのサザエの角をなくしてしまったと言われています。実際に、米が浜のサザエには角がなく、「角なしサザエ」と呼ばれています。

・ほら貝伝説
猿島がどのように誕生したのか、という伝説もあります。東京湾の主であった「ほら貝」が千葉県の印旛沼を訪れた際、印旛沼の主であった「八千代巻大蛇」(やちまたのおろち)が「通せんぼ」をしたことで争いになりました。この争いに勝ったほら貝は八千代巻大蛇を投げ飛ばしてしまいました。投げ飛ばされた八千代巻大蛇は東京湾に落ち、島になりました。これが後の猿島だと言われています。

・大蛇伝説
「大蛇伝説」もあります。1884年まで猿島にあった「春日神社」では、毎年7月下旬に大祭を開催していました。この大祭の時期になると、上総の鹿野山から毎晩大蛇が泳いできて、猿島を護っていたと伝えられています。
同年、猿島が軍用地となったことにより春日神社が三浦半島に移転してからは、大蛇が島を訪れることはなかったということです。

まるでラピュタの世界!猿島の魅力・見どころ

猿島には歴史的な見どころがたくさんあります。ツタがからまり、コケが生えた様子は、異国にいるような、もしくは、有名なジブリ映画『天空の城ラピュタ』の世界に紛れ込んでしまったような、不思議な感覚に陥らせてくれます。

●猿島の魅力
猿島には、一度は行ってみたい魅惑のスポットがいっぱい。アウトドアレジャーを楽しむこともでき、家族・友人とのバーベキューや海水浴にももってこいです。今年の海開きは7月9日(土)で、8月31日(水)まで海水浴を楽しめます。バーベキューは、機材はすべてレンタルできますので、手ぶらで来てもOKです。釣りの名所にもなっていて、毎年5月には釣り大会が行われます。

●猿島の見どころ
・発電所
大きな煙突が目印の、レンガ造りの建物で、島に着くとすぐに見えます。1895年(明治28年)に造られ、現在でもトンネル内を照らしたり、島に明かりを供給しています。

要塞跡
・要塞跡
前述のとおり、猿島は戦時中、東京湾を守るための元海軍の要塞として使われていました。壁には連合軍が上陸した当時の銃弾の跡や、兵舎、弾薬庫の跡が残っており、戦争がもたらした戦争の爪痕の深さをうかがい知ることができます。日本に4カ所しかないというフランス積みのレンガ造りも、一見の価値があります。

トンネル(切り通し)
・トンネル(切り通し)
長さ90メートルほどのレンガ造りのトンネルは、美しいアーチ形の天井になっています。願掛けをすれば恋が叶うと言われており「愛のトンネル」という別名があります。トンネルを抜けると、「ラピュタの城跡」にそっくりと言われている要塞の跡が現れます。

・猿島遺跡
縄文時代の初期、中期の土器片や石器片が見つかっています。平塚にある平塚貝塚と、もともとは陸続きであったことを示す遺跡も残っています。

身近な秘境「猿島」で特別なひとときを

ミステリアスな魅力があふれる「猿島」は、東京から日帰りで訪れられる身近な秘境です。この夏は猿島で、日常の中では経験することのできない感動と、戦争の歴史を感じてみてはいかがですか?