工場夜景といえば川崎!クルーズやドライブで堪能できるおすすめスポット5選!
スケールの大きさが非日常を演出する「工場夜景」。夜の工場は、昼間には見ることのできない魅力を放ちます。今回は、日本の「五大工場夜景」と称される都市の中から、ブームの先駆けとなった神奈川県川崎市の工場夜景をご紹介します。
川崎工場夜景の魅力とは?
日本には五大工場夜景と呼ばれる、美しい工場夜景を誇る都市が5つあります。今回ご紹介する川崎もそのひとつ。川崎の工場夜景には、どんな魅力があるのでしょうか?その他4都市の工場夜景と比較してみましょう。
まずは、日本で工場夜景を見に行きたいなら外せないスポット、五大工場夜景の魅力についてお伝えします。
「北海道室蘭市」では、ライトアップされた東日本最大のつり橋「白鳥大橋(はくちょうおおはし)」と、工場夜景の美しいコラボレーションを見られます。
「三重県四日市市」は、地上100メートルに位置する四日市港ポートビル「うみてらす14」からの眺めが素晴らしく、工場夜景愛好家に「聖地」と称されています。
「福岡県北九州市」の工場夜景のシンボルは、赤と白に塗られた巨大な鉄塔と、「北九州アイアンツリー」と名づけられた高さ200メートルを超える煙突。先端から立ちのぼる煙とともにライトアップされる様子を見るために、訪れる人は後を絶ちません。
間近で迫力満点な工場夜景が魅力の「山口県周南市」では、建物や重機を動物に見立てた「工場夜景・ハンティングクルーズ」などの企画や宿泊施設が充実しています。
そして今回メインでご紹介する「神奈川県川崎市」の工場夜景。全国に先駆け、2008年に「工場夜景ツアー」を開催しブームを先導したのが、京浜工業地帯に位置する川崎市です。
川崎の工場群はエリアに分かれており、エリアごとにまったく違った夜景が見られます。
「川崎工場夜景バスツアー」「工場夜景屋形船クルーズ」を利用すれば、全エリアの主要スポットを観賞することができます。
都心からのアクセスもよいことから、初心者にとっても訪れやすい工場夜景の名所として人気を集めているのです。
ここからは、川崎の工場夜景を堪能できる、おすすめの観賞スポットをエリアごとにご紹介していきます。
浮島町エリア
石油プラントをはじめとした工場群が密集する浮島町エリアは、スケールの大きさが生み出す「迫力」が人気。工場ならではの「重低音」を感じたい人にもおすすめです。
●浮島町エリアの紹介
首都高速湾岸線・浮島インターチェンジを降りてすぐのところに広がるのが、浮島町エリアの工場群です。工場を出入りする車両などへの配慮は必要ですが、見応え抜群の工場夜景を堪能することができます。
・魅力や見どころ
道路の両脇に石油プラントをはじめとしたメタリックな建物が並ぶ光景は、それだけでも非日常的ですが、夜の景色は格別。360度どちらを向いても光と音、そして工場から立ち上る蒸気や煙が幻想的な光景を織りなします。
「JX日鉱日石エネルギー」前と「東燃ゼネラル石油」前は絶好の撮影スポットであり、写真愛好家でなくてもシャッターを押さずにはいられないほどの美しさです。
アクセスがあまりよくないこともあってか、ほかのエリアに比べると訪れる人が少なく「穴場」とも言われています。
●エリア内で立ち寄りたいスポット
浮島町エリアを楽しむ際に、ぜひ立ち寄りたいスポットをご紹介します。
・浮島町公園
この公園から見えるのは工場夜景ではなく、羽田空港や横浜アクアライン方面の夜景。工場夜景とは違った雰囲気を味わうことができるので、おすすめです。場所は川崎市の東に位置しています。「川崎区市民健康の森」とも呼ばれていて、新しい観光名所としても期待されています
所在地:神奈川県川崎市川崎区浮島町12-1
アクセス:JR「川崎駅」東口から川03系統「浮島バスターミナル行き」に乗り「浮島町公園入口」で下車・徒歩約2分
・浮島町貨物ヤード前
訪れた人が思わず「まるでSF映画のセットに紛れ込んだよう」と口にする光景は壮大の一言。工場が放つ光や音はもちろん、その造形の見事さを、ぜひ間近で感じてみてください。浮島町エリアでは、外せない人気スポットです。
アクセス:首都高速湾岸線・浮島ICから約5分
東扇島エリア
東扇島エリアは、「東扇島東公園」「東扇島西公園」「川崎マリエン」など、夜景観賞にぴったりの施設が充実しています。そのため、ファミリーで楽しみたい方、工場夜景初心者におすすめのエリアです。
●東扇島エリアの紹介
先ほどご紹介した浮島町エリアの工場夜景、この後にご紹介する「千鳥町」の工場夜景のほか、羽田空港の夜景も観賞できるのが東扇島エリアです。
「東扇島西公園」の広々とした芝生からは、対岸にある扇島の工場夜景を観賞できます。
・魅力や見どころ
東扇島エリアでは、運河の向こうに見える工場夜景を楽しむのがおすすめです。後ほどご紹介する「東扇島東公園」に隣接する高層ビル「川崎マリエン」の展望台に上がれば、360度の夜景が一望できます。
東扇島西公園の対岸に位置する扇島は、「JFEスチール東日本製鉄所」の工場が土地の大半を占めており、ナトリウム灯ならではのオレンジ光を放っています。
●エリア内で立ち寄りたいスポット
東扇島エリアに足を運んだら立ち寄りたいスポットをご紹介します。
・東扇島東公園
人工の砂浜やバーベキュー広場、ドッグラン、休憩所などの設備も充実している近代的な公園で、2008年に開園しました。視界を遮るものがないため、対岸に広がる工場夜景やウォーターフロントの夜景を観賞するには絶好の場所です。夜になるとウッドデッキの足元がライトアップされ、ロマンチックな雰囲気を演出してくれます。
アクセス:JR「川崎駅」東口から川05系統「東扇島循環」に乗り「東扇島東公園前」で下車すぐ
川崎市公式サイト:http://www.city.kawasaki.jp/580/page/0000001282.html
・川崎マリエン
川崎港と川崎市民の交流を深めることを目的に建てられたコミュニティー施設で、タワー棟の10階に無料の展望室があります。午後9時までオープンしているので、夜景観賞にはもってこい。地上51メートルから見下ろす360度のパノラマビューに、思わずため息がこぼれます。
アクセス:JR「川崎駅」東口 から川05系統「東扇島循環」に乗り「川崎マリエン前」で下車すぐ
水江町エリア
臨港貨物線の線路が敷かれ、「工場地帯」らしい雰囲気を漂わせている水江町エリア。工場を照らすライトと、煙突から空高く噴き上がる炎が訪れる人を魅了します。
●水江町エリアの紹介
四方を運河に囲まれたエリアで、「JX日鉱日石エネルギー」のプラントや「東亜石油京浜製油所」の巨大プラントが放つまばゆい光を望むことができます。
汐留橋には屋形船が停泊、貨物線路のあたりも散策できるなど、レトロな雰囲気が楽しめるスポットも点在しています。
・魅力や見どころ
川崎市全体の工場夜景の中でも、水江町にある「東亜石油京浜製油所」は根強い人気を誇っています。白、赤、黄色といったカラフルなライトに彩られて浮かび上がる建物、吹き上がる炎のコラボレーション。
四方を運河に囲まれているので、水面に映る工場のライトを眺めながらぶらぶら歩くのも一興です。
●エリア内で立ち寄りたいスポット
水江町エリアならではのスポット、おすすめの企画についてご紹介します。
・水江運河前歩道
水江運河にかかる歩道から、東亜石油京浜製油所をメインとした工場夜景、運河の水に反射する光を楽しめます。工場の建物から吹き出る蒸気や炎で、幻想的なムードも満点です。
アクセス:JR「川崎駅」東口から川21系統「エリーパワー前」に乗り 「西水江」で下車すぐ
・川崎工場夜景バスツアー
ガイドさんが案内してくれるバスツアーには、「根本造船所」など、普段は立ち入れない工場の敷地内も見学コースに含まれています。もちろん、貨物線路をはじめとした人気スポットにも立ち寄ってくれます。
・川崎工場夜景屋形船クルーズ!
水江町を含む、川崎工場エリア内の運河を巡り、水上から工場夜景を観賞するクルーズです。工場を照らす光が水面に反射した、きらびやかな光景が目の前に広がります。
千鳥町エリア
浮島町エリア、東扇島エリア、水江町エリアに運河を隔てて囲まれているのが、千鳥町エリア。むき出しになった複雑な配管が反射する光のまばゆさが人気です。
●千鳥町エリアの紹介
千鳥町エリアは、工場見学マニアの心をくすぐるポイントがいっぱいです。中でも存在感を放っているのが、「日本触媒」のプラントです。縦横無尽に巡らされた配管パイプは、それだけでも見応え十分ですが、夜間のライトに照らされるとメタリックな輝きを放ちます。
・魅力や見どころ
京浜工業地帯を代表する工場地帯と言われているのが、千鳥町にある「千鳥町貨物ヤード」です。巨大なプラント、配管設備、高い煙突から噴き出す真っ赤な炎、貨物列車の線路など、未来都市を連想させる光景が広がります。
日本触媒は、この貨物ヤードの裏手に当たります。ただし、夜間は通行する人もまばらなため、女性同士、あるいはひとりで歩くことは避けたほうがいいかもしれません。
小規模ながらも鈍い光で周囲を照らす「日本合成樹脂」のプラントは、間近で写真を撮れることもあり、穴場として人気です。
●エリア内で立ち寄りたいスポット
千鳥町エリアで足を運んでみたい場所をご紹介します。
・ちどり公園
京浜運河に面した緑豊かな公園です。園内には高さ7メートルの展望台があり、京浜運河を行き来する船、向かい側に位置する東扇島の様子を眺められます。24時間開放されていますが、駐車場の利用は午後6時までです。
アクセス:JR「川崎駅」東口より川04系統「市営埠頭行」「東扇島循環」、または川07系統「東扇島西公園前行」に乗り「東電前」で下車・徒歩約2分
川崎市公式サイト:http://www.city.kawasaki.jp/580/page/0000001257.html
・千鳥橋
川崎市街地から千鳥町へ向かう途中に位置する千鳥橋は、千鳥町、水江町などの工場エリアを一望できるスポットです。遠景で光の中に佇む工場群と、水のきらめきの競演が見事。「川崎工場夜景バスツアー」もコースに組み込んでいる場所です。
橋を下から見たいなら、「川崎工場夜景屋形船クルーズ!」で。千鳥運河を運航しながら千鳥橋の下をくぐっていきます。
アクセス:JR川崎駅東口から川07系統「東扇島西公園前行き」に乗り「JX日鉱日石エネルギー前」で下車・徒歩約2分
鶴見沿線エリア
旅気分を味わいながら電車で工場夜景を眺められるのが、JR鶴見線沿線です。その中でも「海芝浦駅」は、「東芝」の京浜事業所の敷地内にある駅のため、車ではアクセスできない点で人気を集めています。
●鶴見線沿線エリアの紹介
利用者の多くは、沿線の工場に勤める人というJR鶴見線。昼間は本数が少なくなり、途中の駅で3線に分岐します。
3線それぞれに風情がありますが、まず目指したいのは「新芝浦駅」と、その先にある「海芝浦駅」です。どちらもホームのすぐ横は海という、首都圏では珍しいロケーションです。
・魅力や見どころ
海芝浦駅は東芝の事業所の構内にあり、改札が工場の入り口を兼ねています。一般の人はホームまでは行けても、改札を抜けられないというユニークな駅。
ただし、隣接した海芝公園には入れます。運河の対岸に、連なる工場群を望むビュースポットです。
同沿線の別方面の終点「扇町駅」では、訪れる人は少ないものの、昭和電工のプラントを中心とした工場夜景に触れることができます。
●エリア内で立ち寄りたいスポット
日中は本数の少ない鶴見線ですが、時間をうまく調整してでも立ち寄りたいスポットをご紹介します。
・海芝公園
海芝浦駅で電車を降りると、改札口の手前に公園への入り口があります。公園内はきれいに整備され、メイン通路から外れた場所には、まるで個室のようにベンチが設置されています。誰にも邪魔をされず、眼前に広がる工場夜景を観賞したい方にはおすすめです。
扇島にある「JFEスチール」の製鉄所や「シェル石油」のプラントのほか、首都高湾岸線や横浜ベイブリッジといった、ウォーターフロントの魅力も満載。プラスアルファの景色を楽しむことができます。
アクセス:JR鶴見線「海芝浦駅」下車
・海芝浦駅
ホームに降り立つと、すぐ横は京浜運河。目の前には工場夜景が広がります。見られる風景は海芝公園と大差はないのですが、東芝の敷地内にあり、改札を抜けることができないというレアな駅です。
アクセス:JR鶴見線「海芝浦駅」下車
・川崎バイオマス発電所前
バイオマス発電は、簡単に言うと「廃材などを利用した発電」のことです。それを行っているのが、国内初の都市型バイオマス発電所「川崎バイオマス発電所」です。
製油や製鉄のプラントとは異なる工場の姿は、一見の価値あり。扇町方面の電車に乗り、昭和駅での下車が便利です。
アクセス:JR鶴見線「昭和駅」下車・徒歩約8分
川崎市の工場夜景の美しいきらめきを、ぜひその目で
都内からのアクセスが良く、日帰りで楽しめる川崎の工場夜景。暗闇に浮かび上がる煙のシルエットやや工場ならではの建物の光沢が、見る者を魅了します。高層ビル群とはまた違った夜景を楽しみたい方は、ぜひ訪れてみてください。