京都のおすすめ紅葉スポット2016|色づく秋の古都を歩く

2016年09月09日

古都の情緒とともに、季節の魅力をたっぷり楽しめる京都の街。紅葉シーズンは特に大勢の人を惹きつけます。京都の木々が色づくのは11月上旬、例年の見ごろは中旬から。秋の風景にゆったり浸れる、おすすめ鑑賞スポット7選をご紹介します。

世界文化遺産「醍醐寺」

醍醐寺
豊臣秀吉が境内で「醍醐の花見」を催したお寺ですが、秋の風景もまた格別。
訪れる人は、歴史的建造物と紅葉の素晴らしいコラボレーションに心を奪われてしまうはずです。

●お寺の概要・特徴
874年創建の「醍醐寺」は、1994年12月には世界文化遺産に登録された真言宗醍醐派の総本山です。
境内は山の上部の上醍醐と山麓付近の下醍醐、平野にある三宝院からなり、下醍醐には国宝指定の五重塔があります。
総床面積1100坪の「霊宝館」には貴重な文化財が収められ、その数は国宝約69,000点、重要文化財約6,500点を含めて約15万点に及びます。
また、1598年に豊臣秀吉が「醍醐の花見」の際に設計した三宝院庭園は、国の特別史跡および特別名勝に指定されています。

●紅葉の見ごろ・ライトアップ情報
紅葉に美しく染まった建物がライトアップされる中を読経の声が響き、独特の祈りの空間をつくりあげます。
特に、上の写真にあるような弁天堂付近では、夜の水面に映る光と紅葉の共演が幻想的です。

・例年の秋期夜間拝観情報
期間:11月初旬~下旬ごろ
拝観時間:18:00~20:50(20:10受付終了)
拝観料:1000円 団体800円(30名以上)

※2016年の正式な情報は下記公式サイト上にて更新されます。

●紅葉観賞スポット
下醍醐の入り口・仁王門から続くもみじの道は、見どころが満載の境内の中でも必ず見ておきたい紅葉スポット。枝の伸び具合によっては、色づいた葉がトンネルのように頭上を覆います。
真っ赤なもみじと重ねて見上げる五重塔も、撮影スポットとして大人気。
そして、下醍醐の奥にある弁天堂と弁天池が織り成す秋の風景は、昼でも夜でも思わず見入ってしまうほどの美しさを見せます。

●住所
〒601-1325 
京都市伏見区醍醐東大路町22

●アクセス
JR「京都駅」八条口から「ホテル京阪前行き」バス乗車「醍醐寺」下車すぐ

●公式サイト:https://www.daigoji.or.jp/

紅葉と鶯橋の赤が印象的!「北野天満宮」

北野天満宮
受験生に大人気の「北野天満宮」は、学問の神様として名高い菅原道真公を祀った神社。
「星欠けの三光門」伝説に金運のご利益もあります。

●神社の概要・特徴
北野の地には、北野天満宮創建以前から天地すべての神々「天神地祇」を祀った地主社が建てられていたこともあり、天神信仰の発祥の地とも言われています。
現在の本殿は、1607年に豊臣秀吉の遺命により造営されたもの。桃山時代の華やかな建築の特徴を色濃く見て取ることができます。本殿と拝殿を石畳の廊下でつなぐ社殿は国宝指定されています。
北野天満宮の中門にあたる三光門は、月と星と太陽の彫刻が施されていることがその名の由来だと言われます。しかし実際に彫られているのは月と太陽のみで、星は天上の北極星を指しているという伝説があり、「星欠けの三光門」と呼ばれています。
この三光門の東南にある石燈籠の台座には、「大黒天像」が刻まれています。この大黒様の口に小石をそっと乗せてみて、落ちなければその小石が金運のお守りになり、小石を財布に入れて祈るとお金に困らなくなるとされています。

●紅葉の見ごろ、ライトアップ情報
北野天満宮といえば、春は梅、秋はもみじが有名です。
境内西の紙屋川沿いには、豊臣秀吉が水防のために築いた土塁の一部が「御土居」として残っています。その一帯は、自然林と植林されたものとを併せて約350本の紅葉を有する「もみじ苑」を形成しています。
紅葉の季節にはこのもみじ苑と境内がライトアップされ、夜間特別拝観が可能です。

・例年の夜間特別拝観情報
期間:11月初旬~12月初旬
入宛時間:日没~20:00
ライトアップ時間:日没~20:00
入苑料:大人700円 子ども350円 団体1割引(30名以上)

※2016年の正式な情報は下記公式サイト上にて更新されます。

●紅葉観賞スポット
夜の鶯橋
▲夜の鶯橋

紙屋川北側の展望所からは、紅葉の合間から国宝の本殿を一望することができます。
朱塗りの太鼓橋「鶯橋」からは、紅葉が川面に映る様子を望み、鶯橋より南に行くと、川の東側に樹齢600年の大ケヤキ「東風」、西側にはもみじ苑のシンボルツリー、樹齢400年を超える「三叉の紅葉」を見ることができます。
苑の中ほどよりさらに南側では、緑の竹林と紅葉が美しいコントラストを描いており、ここも撮影スポットとして人気です。

●住所
〒602-8386
京都市上京区馬喰町北野天満宮社務所

●アクセス
・電車とバス
JR「京都駅」から市バス50・101系統乗車「北野天満宮前」下車徒歩すぐ
・車
名神高速道路「南」または「東」インターチェンジから約30分

●公式サイト:http://www.kitanotenmangu.or.jp/

夜のライトアップは圧巻!「清水寺」

清水寺
京都観光の必見スポット「清水の舞台」。息をのむような紅葉だけでなく、荘厳な雰囲気が漂う、夜の伽藍も一見の価値ありです。

●お寺の概要・特徴
断崖に建つ国宝の本堂から張り出した舞台が象徴的な「清水寺」。
昔から決死の覚悟で事を起こすことを「清水の舞台から飛び降りる」と表現しますが、舞台の高さは4階建てのビルに匹敵し、最長12メートルのケヤキの柱を並べて支えられています。
この清水の舞台、実は一本の釘も使われておらず、「懸造り」(がけづくり)という手法で組み上げられています。
高さがある分、眺望は見事で京都市街を一望できます。
境内は、約31メートルある日本最大級の三重塔など、重要文化財を含む15の伽藍からなり、世界遺産「古都京都の文化財」に登録されています。

●紅葉の見ごろ・ライトアップ情報
ライトアップされた境内の風景は荘厳な雰囲気が漂い、特に舞台周辺の紅葉が夜の闇に浮かび上がる様子は、他では見られない光景でしょう。
また、ライトアップの際に清水寺から上空に放たれる一筋の青い光は、観音様の慈悲の光を表すということです。

・2016年の夜間特別拝観情報
期間:11月12日(土)~12月4日(日)
拝観時間:18:00(開門)~21:00(受付終了)
拝観料:大人400円 小・中学生200円

●紅葉観賞スポット
朱色の鮮やかな仁王門は、階段下から見上げて周囲の紅葉と重なる姿が見ものです。
清水寺の下の渓谷、錦雲渓(きんうんけい)はかえでが見事に色づき、舞台の上から見下ろしても、遠目から舞台と錦雲渓を一緒に眺めても、感動的な美しさを味わえます。

●住所
〒605-0862 
京都市東山区清水1-294

●アクセス
JR「京都駅」から市バス206系統乗車「五条坂」下車徒歩約10分
京阪電気鉄道「清水五条駅」から徒歩約25 分

●公式サイト:http://www.kiyomizudera.or.jp/index.html

古都の風情を感じられる「東福寺」

東福寺
絹本着色無準師範像(けんぽんちゃくしょくぶじゅんしばんぞう)など、5000点を超える国宝・重要文化財を所蔵している「東福寺」。美しく紅葉した木々の絶景と一緒に、日本の歴史ある建造物を見に行きましょう!

●お寺の概要・特徴
東福寺は、臨済宗東福寺派大本山の寺院で、京都五山の一つです。
度重なる兵火と失火の被害を受けながらもその度に再建されており、室町時代に建てられた国宝・三門の上層は仏堂となっていますが、普段は非公開。特別公開時には、安置されている「宝冠釈迦如来像」(ほうかんしゃかにょらいぞう)、「十六羅漢像」(じゅうろくらかんぞう)を見られます。
「龍吟庵」(りょうぎんあん)の方丈は国宝指定されており、現存する最古の方丈建築です。
他にも、重要文化財指定の浴室や東司(便所)、禅堂など、貴重な建築物が多く残り、室町時代の禅僧の生活をうかがい知ることができます。

●紅葉の見ごろ・ライトアップ情報
紅葉の期間は、通常よりも30分早い時間から拝観できるほか、東福寺境内北側の塔頭「勝林寺」の夜間拝観が可能です。
勝林寺の本堂前で色づくのは、その美しさから福徳の女神・吉祥天が宿るとされた「吉祥紅葉」。このもみじは、特に良縁・美縁を求める女性にご利益があると言われています。
無数の虎が月に吠える様子を表現している枯山水庭園・嘯月庭(しょうげつてい)でも、美しい紅葉が見られます。

・2016年秋の特別拝観情報
期間:11月19日(土)~12月4日(日)
拝観時間:10:00~19:30(19:00受付終了)
※昼夜入れ替えなし
拝観料:大人600円(寺宝の説明付)、中高生300円、小学生以下無料
※タクシーでご来寺の方は必ず東門で乗降してください。正門(南門)は進入禁止となっております。

●紅葉観賞スポット
約2000本ものかえでが植えられている東福寺境内ですが、その中には葉が三つに分かれて黄金色に色づく「通天紅葉」と呼ばれるかえでが見られます。
本堂と普門院、開山堂を結ぶ通天橋に数十本あるということで、赤く色づくかえでの中の通天紅葉も、東福寺ならではの紅葉の見どころでしょう。
通天橋は一番の紅葉観賞スポットで、橋の中ごろに張り出したもみじを見下ろす眺めが最高です。その絶景は毎年メディアにも取り上げられています。
混雑を避けたいなら、通天橋、偃月橋(えんげつきょう)とともに「東福寺三名橋」と呼ばれている臥雲橋(がうんきょう)がおすすめ。臥雲橋からは紅葉とともに通天橋を望むことができ、こちらもなかなかの絶景です。

●住所
〒605-0981
京都市東山区本町15-778

●アクセス
・電車
JR「東福寺駅」から徒歩約10分
・バス
JR「東福寺駅」から市バス202,207,208系統乗車「東福寺」下車すぐ

●東福寺公式サイト:http://www.tofukuji.jp/
 勝林寺公式サイト:http://shourin-ji.org/

絵葉書のような景色が広がる「圓光寺」

圓光寺
趣ある、癒やしの景観が親しまれている「額縁庭園」です。近世初期出版文化の担い手としての歴史にもぜひ注目してみてください。

●お寺の概要・特徴
徳川家康が国内教学の発展を図るため伏見に建立し、学校としたのが圓光寺の始まりです。後年場所を上京区の相国寺山内に移し、さらに1667年、現在の小谷町に移転しました。
圓光寺の池泉回遊式庭園は、牛を追う牧童の様子を描いた「十牛図」を題材に造られたものです。書院の縁側から眺める風景は「額縁庭園」と称され、その静かで美しい風景が人気を集めています。
本尊は千手観音、寺内には他に、重要文化財の開山元佶禅師像や竹林図屏風六曲(円山応挙作)が所蔵されています。
刊行した数多くの書籍は「伏見版」や「圓光寺版」と称され、出版に使用された木製活字5万個が重要文化財指定されています。

●紅葉の見ごろ・ライトアップ情報
夜間拝観、ライトアップの予定はなし。
秋の早朝特別拝観が行われています。

・例年の秋の早朝特別拝観情報
期間:11月中旬~下旬
拝観時間:7:30~(1日80名限定、要予約)
拝観料:1000円

●紅葉観賞スポット
何と言っても書院の額縁庭園は必見!四角く切り取られた紅葉は、まるで絵画のような美しさです。庭園は眺めるだけでなく散策もできるので、ぜひ紅葉の中をゆっくり歩きまわってみてください。
庭園南側の栖龍池(せいりゅうち)では、池に映る紅葉と落葉が美しい光景を創りあげています。

●住所
〒606-8147 
京都市左京区一乗寺小谷町13

●アクセス
・電車
叡山電鉄・叡山線「一乗寺駅」から徒歩約15分
JR「京都駅」から市バス5系統乗車「一乗寺下り松町」下車徒歩約10分

●公式サイト:http://www.enkouji.jp/

窓越しに見る真っ赤な紅葉が美しい「源光庵」

源光庵
小さいながらも紅葉の美しさに定評のある寺院です。CMやポスターでお馴染み、人生を見つめる「悟りの窓」「迷いの窓」から見えるのはどんな風景でしょう?

●お寺の概要・特徴
「源光庵」と言えば有名なのが、本堂の円い「悟りの窓」と四角い「迷いの窓」。丸い窓は「禅と円通」の心を表し、この窓からの風景を眺めることで、悟りの境地へ導かれるのだそうです。四角い窓は、生死や病、日々の苦しみなどを避けられない「人間の生涯」を象徴しています。
本堂裏、書院の縁側から見えるのは、北山を借景とした枯山水庭園・鶴亀の庭。鶴が羽ばたく様子をカエデの木で、丸い亀の甲羅を刈り込んだ緑の植栽で表現してあります。
元は伏見城の床板だった本堂の「血天井」も見もの。「伏見城の戦い」で徳川家康の家臣・鳥居元忠一派が自害した際の壮絶な痕跡が残る床板を、供養のため天井に収めたものです。よく見ると血のシミが足跡の形に残っているのがわかる部分もあり、当時の状況の凄惨さが伝わります。

●紅葉の見ごろ・ライトアップ情報
ライトアップ情報なし。

●紅葉観賞スポット
四季を通じて趣のある風景を楽しめる庭園ですが、紅葉の時期の美しさは定評があります。
見どころは大きなもみじのある本堂前と本堂裏の「鶴亀の庭」に加え、「悟りの窓」「迷いの窓」からの風景です。
CMやポスターなどでよく見かける「悟りの窓」は撮影スポットとして人気のため多少順番待ちがあるものの、窓の付近が立ち入り禁止となっているので人の映り込みを気にすることなく写真撮影ができます。

●住所
〒603-8468 
京都市北区鷹峯北鷹峯町47

●アクセス
地下鉄烏丸線「北大路駅」から市バス北1系統乗車「鷹峯源光庵前」下車徒歩約1分

●京都観光オフィシャルサイト:https://goo.gl/f3NkBX

日本の道百選にも選ばれた「哲学の道」

哲学の道
京都の哲学者たちが愛した細道。美しく色づいた葉の下をゆったり散策しながら、季節の風景を楽しみましょう。

●哲学の道の概要・特徴
左京区の若王子神社から銀閣寺までの約1.5kmの小道を「哲学の道」といいます。
明治時代に琵琶湖から京都市内へ水を引くために造られた疏水(そすい)沿いの道ですが、京都の哲学者・西田幾多郎や、その弟子・田辺元、三木清らがこの道で思索にふけっていたことから、「哲学の道」と称されるようになりました。
春の桜と秋の紅葉が美しく、日本の道100選にも選ばれています。

●紅葉の見ごろ・ライトアップ情報
ライトアップは行われません。
夜の散策も可能ですが、灯りは街灯のみ。疏水沿いには柵などもないので足元に注意しましょう。

●紅葉観賞スポット
小径沿いの秋色に染まった木々に、川に張り出した枝、川面や地面の散り紅葉が、美しい風景を作ります。派手さはありませんが、落ち着いた情景が魅力です。

●住所
京都市左京区浄土寺石橋町~若王子町

●アクセス
北端:京都市営バス乗車「銀閣寺道」下車徒歩すぐ
南端:京都市営バス乗車「宮ノ前町」下車徒歩約5分

●京都観光オフィシャルサイト:https://goo.gl/VCx3ER

人生で一度は見たい、美しい京都の秋

それぞれに個性と見どころがいっぱいの京都の紅葉観賞スポット。日本の古き良き文化と自然の美しさの見事な調和に、思わず日常を忘れてしまうはず。2016年は、京都でしか見ることのできない秋の絶景を味わいにいきましょう。