東京のおすすめ図書館6選|読書の秋にくつろぎと思索のひとときを

2016年09月30日

過ごしやすい秋は、アウトドアでもインドアでもいろいろな楽しみがありますよね。
「読書の秋」とも言われるこの季節に、図書館巡りでちょっぴりアクティブな読書ライフはいかがですか?普段は図書館に馴染みがないという方にもおすすめしたい、東京の図書館6選をご紹介します。

下町の知識の泉「葛飾区立中央図書館」

寅さんでおなじみ、葛飾区が舞台の有名映画『男はつらいよ』シリーズの展示コーナーを楽しめる「葛飾区立中央図書館」。
読み聞かせや映画会など、特色あるイベントにも注目です。

●図書館の特徴
葛飾区に14ある区立図書館の中で本館の役割を担っています。蔵書数は一般書約31万冊、児童書約4万9千冊。
2009年10月に開館した新しい図書館で、おしゃれな造りの読書スペースが魅力です。
子ども向けの読書エリア、学生用のスペース、一般向けのスペースがそれぞれ分けられているのが特徴です。

児童書エリアでは、船の形の「子どもデッキ」で屋外読書を楽しめます。小児用トイレやオムツ替えスペース、授乳室なども完備されており、子連れでの利用でも安心。
行事のあるときを除いて、平日には毎日絵本の読み聞かせが行われます。
普段の読み聞かせ会とは別に開催される、外国語の絵本の読み聞かせ会もおすすめ。外国人ボランティアによる母国語での読み聞かせと一緒に、同じ絵本の日本語版も読み聞かせるというものです。楽しみながら外国語や外国そのものへの興味を育むことができるでしょう。

ティーンズルームは中高生のみが利用できるスペースで、調べ物や勉強に便利な資料と、漫画・小説が充実しています。横一列の4人がけデスクで、友達と一緒に勉強したり読書を楽しめます。
また、葛飾区の図書館では、館内で映画を上映する「映画会」が行われています。子ども向けと大人向けのものがそれぞれ企画されており、葛飾区立図書館のWebサイトの行事案内から内容を確認できます。

●住所
葛飾区金町6-2-1ヴィナシス金町ブライトコート3階

●開館・閉館時間
月~土/9:00~22:00
日・祝・12月29日・12月30日/9:00~20:00
12月30日~1月3日/9:00~17:00

●休館日
毎月第4木曜日

●アクセス
JR常磐線「金町駅」から徒歩約10分
京成電鉄「京成金町駅」から徒歩約2分

●公式サイト
https://www.lib.city.katsushika.lg.jp/libguide_0001guide.html

国内全ての出版物を保存!「国立国会図書館」

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圧倒的な蔵書数で、本好きの方が満足すること間違いなしの図書館です。
懐かしい雑誌や貴重な漫画を読みたいときも、ちょっとした調べ物も、ここへいけば即解決。

●図書館の特徴
日本唯一の国立図書館です。
日本国内で出版されたほぼ全ての本が収蔵されています。図書の蔵書数(新聞・雑誌・電子資料等、非図書資料を除いた数)だけで1000万冊を超えており、これは日本の公共図書館の中でもダントツ。所蔵資料の大半は関係者以外立ち入ることのできない書庫で保管されており、借りたい書籍を検索して貸出申請するシステムになっています。

絶版本や雑誌のバックナンバーも収蔵されており、江戸時代の文献など、出版物として流通していない貴重な古書も閲覧可能です。勉強や研究の資料探しに役立つのはもちろん、手に入りにくい漫画や小説を読む目的で足を運んだり、気軽に楽しむこともできます。
特に絶版本のファンにとっては、「ここに行けば読むことができる」という夢のような場所です。

おすすめの理由は収蔵されている本の数だけではありません。ユニークなメニューが並ぶ食堂は、国会図書館の隠れた人気スポット。価格もリーズナブルなので、食事の心配をせず、一日中たっぷり読書や調べ物をしながら過ごせます。

子どもの入館はできませんが、満18歳以上なら誰でも利用可能。
ただし蔵書の大部分を占める書庫内の図書資料は、無料の利用者登録が済んでいないと閲覧できません。未登録で閲覧できるのは、直接棚から取り出すことのできる開架(かいか)資料のみ。身分証明書を持参すれば館内で登録を済ませ、当日から登録者用サービスを利用できますが、混雑して時間がかかることもありますので、余裕を持ってお出かけください。あらかじめ書類を郵送して登録しておくほうがベターです。

また、国会図書館では個人に対する本の貸出は行われていません。ここにしかない資料が数多くあるため、館内にB5サイズ以上のバッグやカメラなどを持って入ることもできません。入り口で透明な袋を借りることができるので、持ち込めない荷物はロッカーに預け、貴重品などは借りた袋に入れて持ち歩くことになります。

多くの重要な書物を扱っているため、普通の図書館を利用するより少々制限が多い部分がありますが、日本一豊富な蔵書はそれを補って余りある魅力と言えるでしょう。

●住所
千代田区永田町1-10-1

●開館・閉館時間
月~金/9:30~19:00
土曜日/17:00

●利用者登録受付時間
月~金/9:00~18:30
土曜日/16:30

●休館日
日曜日、国民の祝日・休日、年末年始、第3水曜日

●アクセス
東京メトロ有楽町線「永田町駅」2番出口(A)から徒歩約5分
東京メトロ半蔵門線「永田町駅」3番出口(B)から徒歩約8分
東京メトロ丸ノ内線・千代田線「国会議事堂前駅」1番出口(C)から徒歩約12分

●公式サイト:http://www.ndl.go.jp/

大人も子どもも楽しめる!「国際子ども図書館」

国際子ども図書館
「国際子ども図書館」は児童書専用の国会図書館ですが、大人にとっても楽しみがたくさん!美しい洋館で世界中の絵本を読むことができます。

●図書館の特徴
児童書を専門に扱う国立国会図書館の支部図書館です。日本初の児童書専門の国立図書館として、2000年に開館しました。

建物はレンガ棟とアーチ棟に分かれており、レンガ棟は明治時代に建てられたルネサンス様式の洋風建築です。図書館とは思えない荘厳で美しい建物は一見の価値あり。増築や改修も行われていますが、明治時代からそのまま残っている部分もあり、歴史好きの方や洋館ファンも楽しめるスポットです。
2015年に新館として開館したアーチ棟は、近代的な外観が特徴。ガラス張りの建物は緩やかな弧を描いており、本をめくるようなイメージでデザインされたと言われています。
図書・資料の閲覧室や子ども向けのイベントを行う部屋、カフェテリアといった一般利用者向けの施設はレンガ棟に完備されており、アーチ棟には研究資料室や研修用の部屋があります。

日本国内で出版されたほぼ全ての児童書と、国外の児童書も収蔵されており、その数は約38万冊にも上ります。「世界を知るへや」と名付けられた閲覧室には外国語に翻訳された日本の本も置かれ、子どもたちが気軽に外国語や外国文化に触れられるようになっています。
レンガ棟の展示室やホールでは、国内・国外の児童書に関する展示会や子ども向けの音楽会など、大人も楽しめるバラエティに富んだイベントが開催されます。

また、毎週火・木曜日には館内のガイドツアーが開催されており、図書館の役割や収蔵されている本、建物の歴史と見どころについて知ることができます。参加してみると、国際子ども図書館をより深く楽しめるはずです。

●住所
台東区上野公園12-49

●開館・閉館時間
9:30~17:00

●休館日
月曜日、国民の祝日・休日(5月5日「こどもの日」は開館)、年末年始、第3水曜日

●アクセス
JR「上野駅」公園口から徒歩約10分
東京メトロ日比谷線・銀座線「上野駅」から徒歩約15分

●公式サイト:http://www.kodomo.go.jp/

新聞・雑誌が充実!「千代田区立日比谷図書文化館」

「千代田区立日比谷図書文化館」は、新聞・雑誌類の品ぞろえが充実しているほか、仕事や勉強用のスペースもあり、社会人・学生に人気です。

●図書館の特徴
日比谷公園内にある図書館で、三角形のお洒落な建物が印象的です。前身の東京市立日比谷図書館は1908年(明治41年)に設立。そこから数えると108年の歴史があります。
その後東京都から千代田区へ譲り渡され、2011年に現在の区立図書館として開館、図書館の機能を核としつつもミュージアムやアカデミー機能を備えた複合文化施設となりました。

建物は地下1階から4階まであり、1階が特別展示室・常設展示室、2・3階が図書フロア、4階が特別研究室です。
2・3階の図書フロアは柱やプレートの色によって、パープル・ゾーン(新聞・雑誌・地域資料)、オレンジ・ゾーン(ビジネス・法律・政治)、ブルー・ゾーン(文学・アート・カルチャー)、グリーン・ゾーン(人文・社会・新書・文庫)の4つに分けられています。

2・3階の図書フロアには無線LANが完備され、iPadの貸出サービスもあります。パープル・ゾーンの閲覧席(予約制)には電源コンセントがあるので、自分のパソコンを持ち込んで、仕事や勉強に長時間没頭することができます。特別研究席の利用は2時間300円と有料ですが、集中しやすい個別ブースタイプで有線LANも備えられており、デスクワークに適した環境です。

「江戸・東京」「本」「スキルアップ」「芸術」「センスアップ」の5つをテーマにした、「日比谷カレッジ」というセミナーやワークショップも開催されており、学びたい大人におすすめです。

館内には書籍や雑誌、文房具、特別展の関連商品などを販売するショップもあります。
全体的に社会人や学生向けの設備やサービスが充実しているのが、千代田区立日比谷図書文化館の魅力と言えるでしょう。

もう一つの大きな特徴は、飲食禁止が一般的な図書館には珍しく、カフェスペースに館内の本の持ち込みができること。貸出手続きをしていない本でも持ち込むことができます。「本を読みながらくつろぎたい」という大人の利用者を意識した図書館ならではの嬉しいサービスです。

●住所
千代田区日比谷公園1-4

●開館・閉館時間
月~金/10:00~22:00
土/10:00~19:00
日曜・祝日/10:00~17:00

●休館日
第3月曜日、12月29日~1月3日、特別整理期間

●アクセス
東京メトロ丸ノ内線線・日比谷線「霞ケ関駅」B2出口から徒歩約3分
東京メトロ千代田線「霞ヶ関駅」C4出口から徒歩約3分
都営地下鉄三田線「内幸町駅」A7出口から徒歩約3分
JR「新橋駅」日比谷口から徒歩約10分

●公式サイト:http://hibiyal.jp/hibiya/index.html

図書館コンシェルジュがお手伝い!「千代田区立千代田図書館」

古書店街・神保町を擁する千代田区ならではの地域密着型図書館「千代田区立千代田図書館」。本好きの子連れママに嬉しい託児所サービスもあります。

●図書館の特徴
千代田区役所内にある図書館で、区役所のビル9・10階が図書館のフロアです。
千代田区らしさと地域性を活かし、次のような5つのコンセプトをベースに運営されています。

・千代田ゲートウェイ
千代田図書館には、「図書館コンシェルジュ」が置かれています。
本探しの手伝いはもちろん、館内の情報や千代田区の地域情報を教えてくれる案内人です。
神保町の古書店の紹介もサービスの一つ。コンシェルジュとともに実際に神保町の街を歩き、地域の話や神保町の歴史について聞けるツアーも開催されています。

・ビジネスを発想するセカンドオフィス
9階の調査研究ゾーンには、ビジネス図書や新聞など、ビジネスに役立つ各種の資料が揃えられ、無線LANが完備されています。個人用ブース席は電源コンセント付き、有線LAN接続も可能で、「セカンドオフィス」として十分な環境が整っています。

・区民の書斎
一般開架ゾーンは、北の丸公園に面した素敵なロケーション。
中高生の学びの助けになる資料も充実しています。読書や勉強の合間に、9階から公園に広がる緑を眺めてリラックスしましょう。

・クリエイトする書庫
9階フロア入り口の展示ウォールでは、貴重な図書資料の展示や千代田区の地域性を活かした企画展示が行われ、評判を呼んでいます。古書店との提携展示は、日本有数の古書店街・神保町を擁する千代田区ならではの催しでしょう。

・ファミリーフィールド
10階にあるのは子ども室と児童書コーナーです。
一般の閲覧室とフロアが分かれているため、子連れではない他の利用者に気を使うことなく絵本や紙芝居を楽しめます。もちろん授乳やオムツ替えも可能。靴を脱いでゆったりできる子ども室では、おはなし会も開催されます。
9階フロアを利用したい保護者の方向けに、お子様を一時的にお預かりする託児サービスも定期的に行われています(有料/事前申し込みが必要)。

●住所
千代田区九段南1-2-1千代田区役所9階・10階

●開館・閉館時間
月~金/10:00~22:00
土/10:00~19:00
日曜・祝日・12月29日~12月31日/10:00~17:00
※夏期は9:00開館となる期間があります。

●休館日
第4日曜日、1月1日~1月3日、特別整理期間

●アクセス
東京メトロ東西線・半蔵門線「九段下駅」4番または6番出口から徒歩約5分
都営地下鉄新宿線「九段下駅」4番または6番出口から徒歩約5分

●公式サイト:http://www.library.chiyoda.tokyo.jp/facilities/chiyoda/

赤レンガが目印「北区立中央図書館」

歴史ある赤レンガ倉庫と現代建築が融合したフロアは居心地抜群!
「北区立中央図書館」にしかないコレクションコーナーで、日本文学や日本文化を学ぶことができます。

●図書館の特徴
読書好き以外の人も惹きつける、洒落た赤レンガが特徴の図書館です。1919年に建設された「東京砲兵工廠(ほうへいこうしょう)銃砲製造所」(通称赤レンガ倉庫)を改装・増築し、「永く愛される」ことを目的に設立された図書館。外観だけでなく建物の中も重々しい赤レンガとガラス張りの現代的な建築が融合し、独特の雰囲気を醸し出しています。

図書館の1階には、白金に本店を構えるカフェ「アトリエ・ド・リーブ 赤煉瓦Cafe」が入っており、元工場の高い天井を活かした吹き抜けと、緑の広場を臨むロケーションが人気を集めています。

図書館としての大きな見どころは、北区の名誉区民で北区アンバサダーでもある日本文学研究者・ドナルド・キーンのコレクションコーナーです。
ドナルド・キーン氏から寄贈された書籍や絵画を図書館1階で公開しており、キーン氏直筆の書き込みがある貴重な図書も、申し込みの上、コレクション閲覧室内で手に取ることが可能です。
コレクション閲覧室の周辺にも関連図書が揃っており、日本文学への理解を深めたり、キーン氏の活動内容を知ることができるようになっています。

●住所
北区十条台1-2-5

●開館・閉館時間
月~土/9:00~20:00
日曜・祝日開館日/9:00~17:00

●休館日
不定休のため、事前にWebサイトの休館情報をチェックしてください。

●アクセス
JR埼京線「十条駅」南口から徒歩約12分
JR京浜東北線「東十条駅」南口から徒歩約12分
東京メトロ南北線「王子駅」から徒歩約15分

●公式サイト:https://goo.gl/oFjuul

たまには図書館でゆっくり読書を

一口に図書館と言っても、それぞれに個性があります。
読みたい本を探すなど目的を持って行きたい図書館もあれば、なんとなく静かな雰囲気に浸り、ゆったりとくつろぎの時間を過ごしたくなる図書館も。この秋は、個性あふれる図書館で読書を楽しみましょう。