相撲部屋の見学ガイド|本場所より迫力がある!?朝稽古を見に行こう!

2016年11月09日

大相撲を生で見たことはありますか?大相撲の魅力は力士と力士の激しいぶつかり合いですが、好角家の中には「本場所よりも相撲部屋で行われる稽古のほうが迫力がある」と言う人がいます。今回は、相撲の魅力を満喫できる相撲部屋見学について、申し込み方法や手順、見学時の注意点をご紹介します。

相撲部屋見学の魅力

相撲部屋は主に、相撲の聖地「両国国技館」がある東京・墨田区の両国近郊に点在しています。力士たちが汗を流す朝稽古には、本場所とは違った見どころが満載です。

力士が所属する住居やグループのことを、相撲部屋と言います。どの力士も必ずこの相撲部屋に所属しています。
相撲部屋では、本場所(1、5、9月は東京、3月は大阪、7月は愛知、11月は福岡)開催中以外の日も、朝稽古を見学することができます。そこには、鍛え上げられた肉体同士がぶつかる生の迫力が満ちており、飛び散る汗や激しい息遣い、厳しい親方からの叱責などを間近で体感できるのが魅力です。

伝統を感じさせる部屋全体に張り詰めた厳かな雰囲気や、稽古の場となる土俵、髷(まげ)から漂う鬢(びん)付け油の香りなど、テレビからは伝わらない相撲の魅力に触れられるのは相撲部屋の朝稽古だけ。

朝稽古の様子を堪能したら、部屋にもよりますが、稽古の後に力士と一緒に写真撮影ができることもあります。こちらも力士の階級によりますが、色紙やノートを用意して持参すれば、記念撮影だけではなく、サインに応じてくれることもあるので、お願いしてみてください。

相撲部屋見学の手順と方法

見学できる時間帯は各相撲部屋によって異なります。通常は午前6時から9時頃までですが、所属力士が多い相撲部屋ではお昼前まで稽古することもあります。お目当ての力士がいる人は、その力士が所属する相撲部屋に直接問い合わせてみましょう。

朝稽古を見学できる主な相撲部屋は、東関部屋をはじめ、荒汐部屋、錣山(しころやま)部屋、高砂部屋、千賀ノ浦部屋、八角部屋などです。大相撲の番付で幕下以下となる取的(とりてき)は朝6時から、十両以上の関取は8時からというように、番付が低い力士から早く起きて順番に稽古をするのが一般的です。

相撲部屋によって、朝稽古の時間や見学が可能な時間帯、予約の問い合わせ先は異なります。まずは、各相撲部屋の公式Webサイトをチェックしましょう。公式FacebookなどのSNSにも問い合わせ先が載っていますので、電話で見学の予約方法を問い合わせ、可能であれば事前予約をしておくと、稽古がない日に突然押しかけて迷惑をかけるということもありません。

朝稽古は、四股(しこ)を踏むことに始まり、鉄砲、股割り、摺(す)り足などの基本運動から始まります。もちろん、実際に相撲を取ることもあります。力士たちは、自分が相撲を取らないときでも、他の力士が相撲を取る様子を傍らで見て学びます。

所属力士の写真と名前を事前に調べて覚えておくと、見学をより楽しめるはずです。お気に入りの力士を見つけ、心の中で応援すると良いでしょう。

その日の朝稽古が終わると、幕下以下の力士たちが土俵の真ん中に砂を盛ります。そして、板を使って砂を固め、形を整えます。最後に神祭用具の1つである御幣(ごへい)を立て、三方に徳俵から塩を巻き、土俵を祀ります。

力士の日常を知りたい場合は、各相撲部屋の公式Webサイト上で更新されているニュースをチェックすると良いでしょう。部屋によってはSNS上で頻繁に更新しているところもあります。普段の様子を知っておくことで、力士がより身近な存在になります。

朝稽古見学時の注意点

朝稽古見学時の注意点
朝稽古は力士にとって、神聖な土俵で自らを鍛え、技を磨く真剣勝負の場所です。練習とはいえ、気を抜くことは許されません。朝稽古を見学する際にはいくつかのルールがありますので、必ず守るようにしましょう。

●見学におすすめの時期
本場所の2週間前に番付発表が行われます。本場所前のピリピリとした雰囲気の中で行われる朝稽古は、その翌日から本格化します。いよいよ臨戦態勢が整うので、本場所前のこの時期の朝稽古見学は特におすすめです。
朝稽古には、勝ち抜き戦形式の「申し合い稽古」や、同じ相手と何番も続けて取る「三番稽古」(実際に取る回数と「三」は関係ありません)などがあり、通常どの相撲部屋でも行われます。白いまわしが関取衆、黒いまわしが若い衆なので、覚えておきましょう。本場所とは異なり実力を磨くための練習なので、過度の駆け引きはなく正攻法でぶつかり合います。
この時期は稽古が最も激しいため、見応え十分です。ただし、出稽古に行って不在の場合や、当日の朝急に予定が変更になる場合もありますので、見学の時間に余裕を持つことが大切です。念のため、見学する部屋を他の部屋に変更する準備もしておいたほうが慌てずに済みます。

●基本的なマナーについて
相撲は元々、豊作や天下泰平を祈って捧げる神事に由来しています。真剣勝負を見学するわけですから、私語や物音は慎みましょう。飲食や喫煙はもちろん、ガムや飴も原則NGです。土俵への立ち入りはできません。また、靴は脱ぎ、畳敷きのスペースに座って見学します。稽古中に途中で退室することは礼義に欠け、稽古の邪魔になることがありますので、なるべく避けましょう。
見学中はずっと正座をしている必要はありません。ただし、土俵に背を向けたり、足を伸ばしたりはできませんので、その場合は横座りをしましょう。

●写真撮影・携帯電話の取り扱いについて
稽古中の写真撮影が可能でも、原則として席の移動はできないため、撮影は座ったままの状態でするようにしましょう。相撲部屋により、写真や動画の撮影自体を禁止している場合と、フラッシュ撮影だけを禁止している場合があります。撮影時のシャッター音にも気を付けましょう。また、携帯電話はマナーモードではなく電源OFF が基本。相撲部屋内では、帽子やサングラスなど顔が隠れるものは外しましょう。

その他の細かいルールや約束事は相撲部屋ごとに異なるため、事前に公式サイトや電話でチェックしておくほうが賢明です。また、見学当日は、相撲部屋に見学者の心得が掲示されているところもありますので、案内係の指示に従ってください。

本場所とは違う大相撲の魅力

朝稽古を見学して、日頃の鍛錬の厳しさに直接触れることで、さらなる相撲の魅力に気付くことができ、本場所を迎えるのがますます楽しみになることでしょう。歴史と伝統のある相撲の魅力をもっと知るために、ぜひ相撲部屋に足を運んでみてください。