冬の夜をきらびやかに演出するイルミネーション、東京ではすっかりシーズンのイベントとして定着しました。商業施設や観光スポット並木道など、冬の風景の主役になる東京のイルミネーションの魅力と見どころを紹介します。

六本木の冬の風物詩：東京ミッドタウン

▲スターライト・ガーデン

六本木の冬を彩る東京ミッドタウンのライトアップイベントは、2016年で10回目！
バラエティに富んだイルミネーションと、立体的な演出が特徴的です。

●イルミネーションの特徴
11月中旬からクリスマスまでの期間中は、ミッドタウン全体がロマンチックに輝きます。
プラザ1階にウェルカムツリー、そこから外苑東通り沿いを乃木坂駅方面に進んでウェルカムイルミネーションを楽しみ、ミッドタウン・ガーデンを芝生広場に向かって進むのがおすすめの観賞順路です。

ミッドタウン・ガーデンのツリーイルミネーションは、キャンドルの灯りのような柔らかな光が視界いっぱいに広がり、温もりを感じます。
ツリーイルミネーションの終わりにあるのは、六本木の街を見守ってきた樹齢約70年のクスノキ「奇跡の木」と、アイルランドの歌姫エンヤが植樹した「エンヤツリー」。

続く見どころはスターライトロードと、隣に整然と立ち並ぶシャンパン・イルミネーションです。

▲シャンパン・イルミネーション

シャンパン・イルミネーションの特徴は、つららのような電飾ケースの中を光が流れ落ちる「スノーフォール」。木々がシャンパングラスの形に電飾でデコレーションされ、純白の光が雪のように舞い落ちる様子はとてもロマンチックです。
スターライトロードのイルミネーションは幻想的でクールなホワイトとブルー。メイン会場の芝生広場スターライト・ガーデンへと続き、最高に気分を盛り上げます。

宇宙をイメージしたスターライト・ガーデンでは、2015年に新型イルミネーションシステム「MAKI」を導入。「見下ろすイルミネーション」のスターライト・ガーデンを、立体的に星がきらめく「星空イルミネーション」に進化させました。
2016年は、昨年導入された直径6メートルのフルカラーLED「ヴィジョンドーム」に加え、上空およそ100メートルにまで光が届くサーチライトを導入。「宇宙の始まり」をテーマに、ダイナミックなビッグバンの様子を再現します。

ロマンチックな夜を演出：六本木ヒルズ・けやき坂通り

寒色系と暖色系のカラーを交互に楽しめるイルミネーションは、東京タワーとの共演が美しい！例年好評のハート形イルミネーションにも注目です。

六本木ヒルズの来訪者は、1年のうちでクリスマスシーズンが最も多いと言われています。ヒルズを横切るけやき坂通りのイルミネーションは、すっかりクリスマスイルミネーションの代表的な存在となりました。

約400メートルに及ぶ並木道に、約120万灯のLED。樹氷のような「SNOW＆BLUE」と、温もりを感じさせる「CANDLE&RED」の対照的なイルミネーションの輝きが、けやき坂を交互に彩ります。

特におすすめなのは、けやき坂通りの中央に位置するブリッジの上からの光景です。並木道のイルミネーションとライトアップされた東京タワーのコラボレーションは、冬ならではの風景です。特に「SNOW＆BLUE」の寒色系イルミネーションと、真っ赤に染まった東京タワーのコントラストはみごとな美しさです。

2014年から好評を博しているハート形のイルミネーション。2015年はデザインを一新して、スマホからけやき坂の木々に宿るハートの光にアクションを与えられるスマホ連動企画「TOUCH the HEART」が登場しました。

もう1つ新しく試みられたのが、六本木ヒルズ展望台・東京シティビューでの「星空のイルミネーション」です。
東京の夜景を一望する展望台の窓16面をスクリーンに、プロジェクションマッピングで星空を映し出し、来場者がスマートフォンを使って星を操る「星にタッチパネル劇場」を実施。展望台から見える東京の街並みの上に、さまざまな星と月、夜空が描き出されました。

また、毛利庭園ではアイスダンスをテーマにしたイルミネーションと、クリスマスらしい赤い「プレゼントボックス」が輝きます。
クリスタルのような輝きを放つクリスマスツリーが見られるのは66プラザ。風に揺れ動くツリーが、レッドやキャンドルライトなどさまざまに表情を変化させます。

シャンパンゴールドの贅沢な輝き：丸の内仲通り

ゴージャスで上品なシャンパンゴールドの輝きは、丸の内ならではのもの。周辺の東京駅、KITTEのイルミネーションも一緒に楽しめます。

有楽町と大手町をつなぐ、約1.2キロメートルに及ぶ丸の内仲通り。
通り沿いの街路樹約200本に取り付けられた約100万球のLEDライトが、丸の内のオリジナルカラー「シャンパンゴールド」に光り輝きます。

丸の内イルミネーションでは1球あたりの消費電力を従来品より約65％も削減する「エコイルミネーション」が使用されており、さらに2014年からは、明るさを変えずに1球あたりの使用電力を約30％カットする、「NEWエコイルミネーション」が一部に採用されるようになりました。このNEWエコイルミネーションは、2015年から導入され、丸の内ブリックスクエア前から丸ビル前までを美しく彩りました。
また、期間中に使用する電力は、風力、太陽光、バイオマスといった自然エネルギーから発電されたグリーン電力がメイン。環境にやさしいイルミネーションで、都会の冬の風景を作り出します。
トータルの点灯期間は3カ月以上あり、クリスマスも年末年始も超え、バレンタインデーまで楽しませてくれるのが嬉しいところです。

周辺の東京駅舎のライトアップもぜひチェックしてください。
また、南口のKITTEでも、スノーデコレーションした大きなクリスマスツリーのライトアップが行われます。

大きなツリーとシャンデリアが見事！：恵比寿ガーデンプレイス

世界最大のバカラシャンデリアの輝きは一見の価値あり！美しくデコレーションされたクリスマスツリーとともに眺めましょう。

バカラグラスで有名な、フランスのクリスタルガラスブランドの老舗バカラ。グラスだけでなく、バカラ製のシャンデリアも世界中で愛されています。

▲バカラシャンデリア

このバカラシャンデリアのライトアップは、恵比寿ガーデンプレイスのイルミネーションの見どころの1つ。2014年にバカラ創設250周年を記念し、国内外で活躍するデザイナー・森田恭通氏とのコラボレーションによって生まれました。高さ8.4メートル、幅4.6メートル、クリスタルパーツ総数26,471ピース、ライト総数410灯という、世界最大のバカラシャンデリアがセンター広場で比類なき輝きを見せます。

恵比寿ガーデンプレイスのイルミネーションの見どころは、バカラシャンデリアだけではありません。エントランスパビリオンから時計広場、坂道プロムナード、センター広場を通ってシャトー広場までは、約10万球もの美しい光が輝きます。
時計広場を飾るのは、フランスをテーマにしたオーナメントなどでデコレーションされたクリスマスツリーです。

クリスマスツリーからシャンデリア前までの通路にはレッドカーペットが敷かれ、より一層ロマンチックでゴージャスなムードを高めます。
駅からアクセスしやすく、会社帰りなどにも立ち寄りやすい場所です。
カフェが併設されているので、お茶をしながらゆっくりイルミネーションを眺めることもできます。

幻想的な青の世界：カレッタ汐留

青白いライトが描き出す、箱庭のような冬の森が幻想的。この季節だけのファンタジックな世界を楽しみましょう。

高層ビルの谷間に、まるで北欧の冬の森のような風景を作り上げる、カレッタ汐留のイルミネーション。針葉樹のようなタワーに、鐘を積み重ねたようなカリヨンツリー、青白くきらめく光の壁――約27万球のLEDで創造される「アジュール」（フランス語で青系統の色という意味）の世界は、幻想的のひと言です。
撮影スポットとしておすすめなのが、空洞になっているカリヨンツリーの中。大人でも余裕をもって入れる広さなので、記念撮影にピッタリです。

期間中、毎日行われる6分間のプロジェクションマッピングも必見です。オリジナル楽曲に合わせて光が踊り、ツリーの色がゆるやかに移り変わります。点灯から22時まで20分毎に繰り広げられるので、仕事帰りに立ち寄って見ることができます。
街中で展開されるイルミネーションとはまた違う、ショーの観賞のような楽しみ方ができるスポットです。

オレンジの光とツリーの競演：東京タワー

東京タワーが冬の夜を暖かなオレンジ色に染め上げます。「今さら東京タワー？」なんて言わないでください。見どころいっぱいの「イルミネーションの老舗」に足を運んでみましょう。

東京タワーは今年で完成から58年目、クリスマスイルミネーションは20周年となります。
1階正面玄関前に、恒例のクリスマスツリーとイルミネーションが登場。イルミネーションは東京タワーのシンボルカラーである「オレンジ」がコンセプトです。温もりを感じるオレンジ色にライトアップされた東京タワーと、約4万球のLEDで輝く地上の「オレンジガーデン」が、冬の東京で国内外からの来訪者を温かく迎えます。

「オレンジガーデン」の中央にそびえるクリスマスツリーは、高さ約10メートルの本物のモミの木です。きれいにイルミネーションで飾られ、主役の存在感をアピールします。
高さ約2メートルのミニ東京タワーも設置され、こちらもしっかりライトアップされます。

期間中の16：00～22：00の間は、20分間隔で「クリスマスツリー・ライティングショー」が開催され、冬をイメージした楽曲とイルミネーションが、ロマンチックな共演を果たします。
点灯期間は2月末まで。少し長めに楽しめるのも、冬の東京タワーイルミネーションの特徴です。

光のアートが美しい：赤坂サカス

イルミネーションが彩る音と光の共演が魅力。イルミネーションの中を滑る屋外スケートリンクは、大人にも子どもにも好評です！

赤坂サカスの冬のイベント「White Sacas」では、赤坂Bizタワーと仲通りがイルミネーションで飾られます。
大きな特徴は、上空にもイルミネーションが演出されるところでしょう。流星群やオーロラ、スノーフォールを表現した「天空のイルミネーション」で、建物と建物の間に、幻想的な夜空を作り出します。

地上に並ぶのは、約1670万色を表現できるLED「バーティカルチューブ」を使用した「アートフラッグ」です。チューブ状の電飾が床から放射状に伸び、花のようにデザインされた赤坂サカスの「S」を葉や茎のように支えます。
クラシックや冬をイメージした楽曲とのコラボレーションもあり、音と光で楽しませてくれます。

また、都内最大級の屋外アイススケートリンクのオープンも毎年恒例、こちらもイルミネーションで彩られます。
イルミネーションに囲まれながら、東京の街中で本物の氷の上を滑る非日常感……。この冬、思いきり満喫しましょう。

ショーを楽しむ？静かに眺める？

ショーアップされた最新型のイルミネーションから、風景を楽しむ大人のイルミネーションまで、東京にはバラエティに富んだイルミネーションが満載ですね。
家族連れ、友達同士、恋人、夫婦など、誰と行っても楽しめること間違いなし。一緒に眺めたい人と素敵な時間を過ごして下さい。

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